第5章 ネコとの邂逅
そして再び
「次は負けません!」
「次も負けません!」
全開営業スマイルかつ胡散臭い笑顔の黒尾さんと、にこにこにこにこにこしながら妙な威圧感を出す澤村先輩。
こわ。
「っと、七瀬ちゃん」
「なんですか、真っ黒尾先輩」
背が高い!首が痛い!
「何だよそのあだ名。普通に黒尾先輩じゃ駄目なのか?」
腹黒先輩ですから。
「そうじゃない、俺の用事はそれじゃない。
集合!」
?
運動部特有の人を囲む集合のお陰で、真っ黒尾先輩の背景が真っ赤なジャージの男子高校生で埋め尽くされた。
「マネージャー、ありがとうございました!」
「「「ありがとうございました!!」」」
わぁ、壮観。
って、
「こちらこそ、楽しいチームを近くで見せて頂いてありがとうございました!お役に立てたのなら、よかったです」
え、何でドン引きしたような顔するの、真っ黒尾先輩。
「『お役に立てたのなら』て、監督がニヤニヤしてたあのデータを見てから言い直せよ」
…
あれ、需要高いんだなぁ。