第5章 ネコとの邂逅
化け猫先生の隣でスコアブックを持っているんだけど、
「ーー俺たちは血液だ。
滞りなく流れろ
酸素を回せ
"脳"が正常に働くために」
黒尾さんの厨二病重症疑惑。
自分で考えたのかなぁ?
「クロ…今のやめない…?なんか、恥ずかしい…
マネージャーさんの視線も気になる…」
って私?
「なんで!いいじゃねーか、雰囲気雰囲気!」
「自分らへの暗示みたいなモンだ」
「ーーということだ」
ということらしいです。
では、
「音駒高校 対 烏野高校 練習試合始めます!!」
試合開始。
初っ端、いきなり!
「なんだあ、ありゃあ!?」
「…烏野名物、変人速攻です」
次、日向くんを囮に使って、旭さんのスパイクで得点。
「ハハハ…スゲーな…今のは拾えなくてもしょうがねえ…
アレ高校生?社会人じゃないの?」
ちゃんと現役の高校3年生です。
「リベロもスパイカーも良いのが居るな、烏野!でも一番とんでもねえのは…
セッターかな?」
そう、変人速攻は今のところ、影山くんのトス回しのみで成り立っている。
日向くんが提供するのはスピードとバネだけ。
12-9
音駒高校タイムアウト。
「……
スパイカーの最高打点への最速のトス…。針の穴を通すコントロールだ。
1人しかできないと思ってたんだが、バケモノってのはまだいたんだなぁ。
が、天才が1人混じったところで、それだけじゃ勝てやしないのさ」
化け猫先生のチームはやっぱり強い。
そして、音駒の今の"脳"は
「…翔陽が攻撃の軸…なら、止めちゃえばいい…
縦横無尽に動かれて捕まえらんないなら、その動く範囲を狭くしちゃえばいいよ」
デディケートシフト
日向くんはブロックの居ないところに突っ込んでいくから、ブロックをサイドに寄せて仕舞えば日向くんは反対側に行く。
あとは、
「ひたすら追いかける」
1年ミドルブロッカー、犬岡くん。
テクニックとかは全然だけど、スピードとスタミナがずば抜けてる。
最初クリアできそうにないゲームでも繰り返すうちに慣れる、か。
「やっと捕まえた!!!」
まずは鬼から、"金棒"を奪う。
「デディケートシフトとコミットブロック。良い対処法ですね」
「お前もそう思うか?
気力を挫く"人の壁"。打てば打っただけ心は折れてー」
でも、日向くんはバレーが大好きだから。
「ーーわらった」