第7章 変化
「もう大丈夫?」
「はい、ありがとうございました。」
「ん、そりゃ良かった。あ、念のため、これ俺の連絡先、なんかあったらかけて?もうすーぐとんでくから。」
「ありがとうございます。」
私は微笑んで受け取った。
「ん、じゃあまたね。」
「はい。」
拓真さんは結局家まで送ってくれた。
「菜月?どうしたの?何かあったの?」
夜ご飯を食べているとき、お母さんに聞かれた。
「…何も?」
「嘘。何かあったでしょ?なんでもわかっちゃうんだから。話してごらん?」
「……春樹に…拒絶された。」
「え…どうして?」
「…わからない。」
「何か春樹君の気に障ることでもしちゃった?」
「……わか……な…ぃっ…。」
気づけば涙が溢れ出てきていた。まだお茶碗の中に残っているご飯にぽたぽたと垂れた。
「…大丈夫よ。菜月が自分で、何も悪いことしてない。って思ってるんなら、きっとまた春樹君から歩み寄ってくれるから。」
お母さんは席を立って、私の頭を撫でてくれた。ティッシュで涙を拭いてくれたり、とにかくそばにいてくれた。
「…大丈夫…。」
そう呟いて、私はベッドに入って目を閉じた。