第9章 冬休み
*
「じゃあまた連絡するわ~!」
「バイバイ…!」
「うん!またね!」
「…」
翔真と麻里は別方向だったため、ここでわかれた。
「ねえ、翔真達、上手くいくよね…?」
「…さぁな。」
春樹は相変わらず他人には興味がないらしい。
*
「ただいま~。」
「え~!どうして~!!」
「…どうしたの?」
リビングからお母さんの声が聞こえ、顔を出した。
「あっ、おかえり~。ちょっと聞いてよ、お父さんったらお仕事で今度は大阪に行くんですって。」
「仕事なんだ、すまない…。」
「もうっ!」
お母さんは頬を膨らませて拗ねていた。
「単身赴任?」
「あぁ…。多分…帰ってくるのは来年か…再来年か…。」
「もううう!!!」
「す、すまないな…。」
お母さんはお父さんへの愛が強い。
「…はぁ…仕方ないわよね…お仕事だもんね…。」
「う、うん…。」
「…」(始まった…お母さんが落ち込んでお父さんが慰めるルーティーン…。)
私は面倒事に巻き込まれたくない為、自室へ…。