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私に教えて!

第5章 モデル案



「栞、ちゃん」

か細い声


空を見ていたせいで

先輩が立ち止まっていることが分からなかった


私のだいぶ後ろで先輩は口を開いた


「栞ちゃん、僕、君のことが好き」


私の心臓が跳ねる

どこかに飛んでいってしまいそう


私が戸惑っていることが分からないのか

どんどん話は進む


「初めて見たときから君のことが気になってた」
「君の優しい声で、僕の好きなものを褒めてくれて嬉しかった」
「君の笑顔に元気づけられた」


「僕と、付き合って欲しい」









「ごめん、なさい」

その一言だけは言えた


よく分からなくて逃げた



あんなに、先輩は私に優しく

熱を持って告白してくれたのに


私は逃げた



もうあのカフェには行けないかも

結構、お気に入りだったのにな



私の心の中は僅かな熱を持ち始めていた





(「栞ちゃん、今日はいきなり言っちゃってごめんね」)
(「僕、振られても諦めないから」)
(「いつか、君にはいって言わせるからね」)


先輩は諦めてない

これが恋、なのかな


振られても諦めない、自分の強い意志


小説の始まりは決まった









『栞ちゃーん!この〔夕日の前で〕の始まりすごく良いじゃん!!』
『あ、今日はこっち寄ってね~!』


昼、うるさい人からうるさい連絡が来た

『こっち寄って』ということはなにか有ったのだろうか



立ち上がり、ご飯を食べに行こうとすると

「栞ちゃん!一緒に食べない?」

「琴鞠先輩…」

「あー!京先輩じゃないですかぁー!」


隣から大きな声が聞こえた


1年生で、彼の名前を知っている人は

私以外で多分みのりちゃん位

「あ、君は…栞ちゃんと一緒に居た人だね」

「先輩覚えててくれたんですか?嬉しい~!」

「僕になんか用?」


なんか、みのりちゃんには冷たくない?


それにみのりちゃんは

内田くん以外にもそんな嬉しそうな顔で良いの?




みのりちゃんは内田くんを好きなんじゃないの?





恋愛が近づいたと思ったら

今度は離れていく感覚



みのりちゃんは何を思っているの?




私には、

理解できない所にみのりちゃんはいるっぽい






「みのり、先輩とまた話したいなって思ってたんですよ~」
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