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坂田家の日常。

第2章 旅行篇。




「痛ー…トシ兄、銀兄、洗面器投げること無いでしょ。」
「うるせー、雪乃を追い詰めるからだろ。」
神威と銀時が口喧嘩をしながら温泉を出てくる。
其れを雪乃は横目で見ながら、座敷へと向かった。
「なんで、こう喧嘩するんだろう…。」
少し溜息をつきながら言うと、十四郎が
「雪乃、ちょっと動くな。」
と、いい雪乃の頬に軽く手を当てた。
「どうしたの?」
と雪乃が訊ねると十四郎は手を離し、
「虫が居た。…時期的には珍しいな、蚊なんて。」
と、手の虫を払いながら言った。
雪乃も、少し疑問に思い部屋へ行ったときの事を思い出してみる。
確かに雪乃も、蚊を一度潰している。
こんな時期、何故蚊が…?
そう思った矢先、誰かの倒れる音と皿の割れる音がした。
「何!?」
「とりあえず、行ったほうがいいだろ!」
音のほうへと兄弟達が向かう。

-其処には月詠が倒れていた。

「月詠姉!大丈夫!?」
雪乃が駆け寄ると月詠は
「大丈夫じゃ…それより、赤い着物の女、が…。」
と奥の座敷を指差した。
「まず、神威と総悟は月詠を運べ。晋助と十四郎は何でも良いから武器っぽいものを探して来い。雪乃と俺は座敷のほう見張ってる。」
と銀時が「白夜叉」の目つきで言った。
こういうときの銀時は、意外と頼れるのだ。
各自頷けば、其の行動へと移る。

そして、この騒動は後に恐怖を呼ぶものとなる。
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