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Dearest【降谷零夢】

第2章 買い物デート?


彼女が向かった先には何故か背中にチャックが付いてる熊のヌイグルミがあった。
その他にも黄色い鳥や白い小熊。

『……どうしよう……こんなにあるなんて……!』
「……好きなの?」
『あ、うん。これ集めてるんだけど……欲しいな。』
「(……デカすぎだろ……)」

葉月さんが見詰めてるのは子供くらいはありそうな大きさのヌイグルミ。
買ったらそれを持ってバスに乗る事になる。

「……と、とりあえず今日は他にも買い物するんだから持てないだろ?明日また来よう?」
『!……一緒に来てくれるの?』
「荷物持ち、必要だろ?」
『ありがとう!』

パッと花が咲いた様な笑顔を目の当たりにした俺(と周りの男達)は撃沈したのは言うまでもない。

「(まともな笑顔初めて見た……。)」
「あの人、笑うと可愛いね!」
「うん、あんなイケメンの彼女だもんねー!」
「最初クールな人だなって思ったけど、ああいう笑顔見せられるとギャップあるね。彼氏さん顔真っ赤だ(笑)」

周りの声に思わず赤くなってる顔を掌で隠した。

「(俺達カップルに見えるのか……今の聞こえてた……よな?)」

チラリと彼女を見れば、案の定聞こえてたのか負けず劣らずの真っ赤な顔があった。
そんな光景を見てしまい更にしゃがみこんだ俺は悪くないと思う。
俺の行動を見て勘違いした葉月さんは申し訳無さそうに呟いた。

『あの……ごめんね?私なんかとカップルだなんて思われちゃって……』
「(あー……もう!)良いよ、思わせとけば。」
『……で、でも……』
「ほら、まだ買い物終わってないんだから行こう。」

葉月さんの手を強引に繋いで歩き出せば恥ずかしそうに、それでも弱々しく握り返してくる小さな手に俺は口元を弛ませた。

『あ、』
「ん?何か買い忘れあったか?」
『お昼ご飯、何にする?』
「忘れてた。どうするかな……」
『ならオススメのお店があるの、パスタなんだけど……』
「じゃあそこで食べるか。」

まるで本当にデートしてるみたいにご飯を食べて、店内を色々と見回った。
家に着くまで俺達が繋いでいる手は離れる事はなかった。







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