第2章 買い物デート?
マンションから出て見慣れない街並みに少しソワソワしてると、ボソリと突っ込まれた。
『不審者みたい。』
「……葉月さんって、結構ズバズバ言うよな。」
『そんな事ないよ。』
「……それで、何処に行くんだ?」
『バス乗ってショッピングモール。』
目の前に見えたバス停を指さして相変わらずの無表情で俺に告げた。
やってきたバスに乗ってから10分くらいは経っただろうか、大型ショッピングモールに着いた。
「……何でも揃いそうだな。」
『先に家具揃えよ。』
「は?」
『クローゼットにベッド、その他諸々。』
「流石に家具はいいって!」
『……だめ。フローリングに布団はキツイし服買うんだからクローゼットも必要。』
「ならクローゼットじゃなくて衣装ケースで良い。」
『お金の心配なら本当にしなくて大丈夫。』
「お金もそうだけど、さっき言ったように俺はいつかいなくなるんだぞ?それなのに家具まで買ったら……」
『降谷君いなくなったらクローゼットや服は私が使うから良い。ベッドはたまに友達が泊まりに来るからその時使えるし、それに……』
「それに?」
『降谷君いなくなった時、家具とかあれば降谷君と暮らしてたって証になる。』
その言葉と僅かに微笑んだ姿は思った以上に破壊力があった。
「(反則だろ……!)」
『降谷君?』
「あー……分かった、家具もお願いします。」
『うん。』
見間違いじゃなければ多分、嬉しそうな顔してる。
葉月さんと家具を決めているとやたら視線を感じた。
「……?」
『どうかした?』
「いや……。」
チラチラと店内にいる男性らが彼女を見てる。
正直言って、元々彼女は顔も整っていてスタイルは良い、それで更に今みたいな格好してれば誰だって振り向く。
「(にしても、こんだけ熱視線もらって何の反応もないのは鈍いのか?)」
『……やっぱ、顔とか隠しても降谷君モテるね。』
「は?」
『ほら、あちこち女性が頬染めて見てるよ。』
「(君も見られてるんたけどな!)」
確かに俺自身見られてる自覚はあったけども!
「(それ以上に見られてるの気付いてくれ……!)」
俺が内心頭抱えてれば、葉月さんは何か気になったのかフラッと歩き始めた。
「葉月さん?」
『……可愛い……』
「え、ちょっ……何処行くんだ?!」
慌てて付いていく。