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Dearest【降谷零夢】

第9章 決着


幸紀の口から出てきた事実に青褪める者達と驚愕する者達で別れた。

「ちょっ……当主!それは本当なんですか?!」
「我々は自殺だと聞いてます!」
『……本当ですよ。父は殺されると分かっていたから私に指輪と遺産を残したんです。』
「う、嘘だ!この化け物が殺したんだ!!」

立ち上がって愛を指差し叫んだ者は、先程青褪めた者達の1人だ。
その勢いも幸紀と安室の睨みにより小さくなったが。

「ですが、彼の言う通り……我々は貴女の異常に堪えきれなくなって死んだとお聞きしてます。」
『もし……それが理由ならば私に指輪と遺産を残す意味が分かりません。』
「た、確かに……」
「だが!証拠も何もないだろ?!」
「そうだ!!」

それを皮切りに次々と文句やら罵倒を叫びだす者達に、それまで黙って見ていた安室が口を挟んだ。

「……残念ですが、証拠ならありますよ。」
「な、んだって……?」
「そこに転がってる彼から教えてもらいました。」
「お、俺は何も言ってない!」
「あれれ?僕確かにおじさんから聞いたよ?このお家の全部欲しいから結婚したんだって。」

ざわつく分家と、その妻であろう人物は言葉を失っていた。

「本当は直系の愛お姉さんと結婚したかったんでしょ?でも、まだ子供だったから仕方なく分家に婿入りしたって言ってたよね。」
「……こ、の……ガキ……!!」
「その為に彼女の両親を殺した事も言ってたな。」
「……毛利さん、それは本当ですか?」
「あぁ。俺と安室、コナン……それに彼女本人も聞いてる。」

本当かと幸紀がチラリと愛を見れば、静かに頷いた。

「それで、他の者達は唆されたって事か。」
『そう……言ってたわ。』
「この男に協力した分家は名乗り出ろ。」
「な、何を言ってるんです?我々は分家と言えど、この葉月家の人間ですよ?本家の人間を殺すなんてするわけが……」
「言い訳は見苦しい。今日この日より葉月家の分家を名乗る事は許さない。」
「なっ!?」

反論しようとしてくる彼らに幸紀は冷たく鋭い瞳で黙らせる。
それはつまり、縁を切るという事で本家の財産や地位を狙ってた者達からしたら絶望でしかない。

「お、お前はただの養子だろう!?そんな権限ある筈がない!」
『当主の証である指輪を持ってる時点で兄さんには権限があります。』



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