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Dearest【降谷零夢】

第8章 狙われた彼女


『それも全部兄さん次第だわ。』

愛はそう言って僕と先生に帰ろうと促してきた。
先生が気絶してる男を背負って、僕は分家の男を連れて行く。
本当は傍に付いててやりたいがコナン君にお願いした。

「お姉さんは僕と手を繋ご?」
『……ありがとう。』

先を歩く2人を見ている僕に分家の男は話し掛けてきた。

「……お前、昔アイツと住んでた奴だろ?」
「は?」
「何回かお前と外を歩いてるのを見掛けた。帽子とサングラス付けてたな。」
「何……?」
「どうせお前もアイツの遺産目当てだろ?だったら俺と協力しねぇか?」
「僕はそんなモノ興味ない。」

殴りたい。
愛とコナン君は先頭歩いてるし、先生も此方を見てないから腹に1発入れても良いよな?
グッと拳を握ったところで1台の車が停まった。

「愛様、ご無事で何よりでございます。」
『睦月さん、迎えに来てくれたんですか?』
「はい。幸紀様が色々とご準備されておいでです。」
「……準備?」
「透様、毛利様……愛様を助けて下さり有り難うございます。その男達も一緒に車へ乗せて頂けますか?」
「あ、あぁ。」

車に乗って、葉月家へ帰る。
僕の隣に座っている彼女を見てふと気になった事を聞いた。
勿論、小声でだ。

「いつ、こっちに?」
『気付いたら。』
「繋がったと思っても?」
『……それで合ってる。この10年で築き上げたモノ何1つ失ってないから。』
「(なら彼女の両親が死んだ事も此方の過去として残ってるのか?)」

後で風見に聞いてみよう。
門を潜り、車が停まったところで男達を連れて降りる。
案内された広間には幸紀と蘭さん、昨日会った夏紀さんと真理子さん……あとは他の分家の人達だろう。

「……おかえり。無事で良かったよ。」
『兄さん、心配おかけしました。』
「さて……帰ってきたところで話をしようか。あ、透はこっちな。それでソイツ等は此処に転がしておけ。」

良い笑顔で言ってくる幸紀に僕も笑顔で奴等を幸紀と分家の前に転がした。

「いてっ!もうちょい丁寧に扱えよ。いつかは親戚になるんだろ?」
「誰が親戚になるって?」
「これは当主、お元気そうで……俺もこの男に騙されてまして……」
「調べはついてる。分家の1部が跡継ぎであった祐一郎さんと桐華(トウカ)さんを殺した事もな……。」


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