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Dearest【降谷零夢】

第2章 買い物デート?


葉月さんの家にお世話になって1週間、俺は料理以外させてもらえてない。

「……何で?」
『何が?』
「他は全部葉月さんがやってる。俺も出来る。」
『とりあえず今日は買い物行こうか。』
「俺の話聞いてる?」
『聞いてる聞いてる。』
「返しが雑すぎる……!」
『はいコレ被って。』
「帽子……?」

ごく普通のつば付き帽子、何で被るんだ?

『その髪目立つからね。』
「あ、なるほど。」
『あとサングラスもどうぞ。』
「……俺は有名人か何かか?」
『私が目立つの苦手なの。』
「……俺も目立ちなくないから助かる。」

更に彼女はタンスから男物のTシャツと紺色のシャツを出した。
……彼氏いるのか。

『下はスウェットで我慢して、買い物がてら降谷君の服も買おう。』
「え、良いのか?」
『お金なら余裕だから平気。』
「でも、いつかいなくなる奴の服買っても……」
『その辺は心配しないで。』
「彼氏も良い顔しないだろ?」
『は?』

ここ1週間、彼女と暮らして常に無表情だったのがポカンとした表情になった。

「(一応、表情あったのか。)」
『何か失礼な事考えてない?』
「いや?」
『まあ、良いけど……てか彼氏なんていないよ、いたら一緒に住むなんて言わない。』
「え、だって服……」
『そのTシャツとかは私がたまに着たりするのに買っただけ。』
「そ、そうだったんだ。」
『私も着替えてくる。』

そう言って自室に入ってく葉月さんの背中を見送り俺も部屋で着替えた。

「……サイズは少し小さいくらいか。」
『降谷君、着れた?』
「あ、大丈夫!」

ただシンプルな白のTシャツを着て上に紺色のシャツを羽織る。
部屋から出ると思わず凝視してしまった。

『……何か?』
「あ、いや……そういう格好するんだなって……」
『たまに、ね。』

葉月さんの格好は、白のブラウスに花柄のスカートで黒くて綺麗な長い髪をサイドで弛く縛っている。
顔も薄化粧してるのか。

『……見すぎだと思うんですけど。』
「ふはっ……何で敬語?もしかして照れてる?」
『……馬鹿な事言ってないで行くよ。』

フイッと俺に背を向けて歩き出すも、後ろから見える耳は赤かった。

「素直じゃないな。」
『降谷君の服、変なの買ってやる。』
「それはやめてくれ。」

案外、この生活楽しいと思った。





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