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Dearest【降谷零夢】

第1章 出会い


「まずは自己紹介させて下さい。俺は降谷零、19歳になったばかりの大学1年生です。」
『……私は葉月愛です、18歳大学には通ってません。同い年なので敬語は必要ないですよ。』
「なら、葉月さんも敬語なしで。」
『……分かった。』

渋々頷く愛に苦笑いを溢して本題に入る。
自宅でシャワーを浴びてた事、眩暈がして少し休んでから出たら愛の家にいた事。
話をしていく内に、自分でも不思議体験してるなと実感が湧いてくる。

『……そっか。じゃあ戻れるとしたらうちの浴室が鍵になるのかな?』
「……多分?」
『なら戻れるまで此処に住む?』
「は?」
『私しか住んでないから部屋も余ってるし。』
「待った!今さっき知り合ったばかりの男を住まわせるのか?!」
『え、頼れる所ある?』

愛に痛いところを突かれてぐっと押し黙るが、それも一瞬の事。

「頼れる所なんて無いけど、葉月さんの危機管理ってどうなってるんだ。」
『それにうちの浴室から戻れるかも知れないなら此処にいれば良いと思う。』
「いや、だから……」
『部屋に鍵は付いてるし何もしないから安心して。』
「それ俺の台詞だからな?!」
『……降谷君、さっきから声大きいよ。』
「……誰のせいだと思ってるんだよ……」

結局、押し切られた形で降谷は愛の家にお世話になる事とした。

「あー…………お世話になります。」
『うん。』
「一応、家事とか分担するか。」
『分担?私やるよ。』
「いや、お世話になるんだし俺もやる。」
『……うん。』
「ん?もしかして人にされるの嫌?」

降谷が首を傾げながら聞けば、気まずそうに愛はボソリと呟いた。

『……誰かと暮らすなんて久しくしてなかったから……』
「え?家族とは暮らしてただろ?」
『…独り暮らしだから、そう感じただけ。』
「あ、そうか……(何か隠してる……?)」

無表情ではあるが、声色に何となく違和感を感じた。
それ以上追求されたくないのか愛はホワイトボードに表を書き始めた。

「分担表?」
『うん、降谷君は料理出来る?』
「まあ、人並みには……俺も独り暮らしだし。」
『じゃあご飯は交代制で、掃除とゴミ出しは私がやるよ。洗濯は各自でやろう。』

ほとんど愛の担当となった




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