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Dearest【降谷零夢】

第7章 思わぬ再会と脅迫状


あれから愛は大学に通いつつ幸紀の補佐をする日々を送った。
最初の頃は分家が口煩く言ってきたが、幸紀の一言でそれも落ち着きを見せた。

そして、時は流れー

『兄さん、この日の食事会はどうする?』
「んー……他に予定あったか?」
『特には無いから参加でOK?』
「……面倒くさい……」

愛は29歳の誕生日を迎えた。
この日もいつもと同じ様に過ごしていた2人だったが、あるニュースを見て思わず声を上げた。

「次のニュースです。本日未明、米花町のマンションでー」
『また殺人?』
「今日はやたら流れるな……」
『「米花町!?」』

何を言ってるんだこのキャスターは。
これはドッキリか何かか?
そんな考えが過るも、テレビのキャスターは淡々とニュースを読み上げていく。

『……え?夢、だよね?』
「……夢なら良いけどな……。ほら、」

幸紀が見せたのはスマホの検索画面。
そこに毛利小五郎の写真と記事が載っている。

『……えー……』
「愛、今度開かれるパーティーって何処だっけ……?」
『ちょっと待ってね……えっと………………す、ずき財閥……』
「終わった…………」
『いや、ほら、まだ決まったわけじゃ……』
「絶対に事件吸引器が来る。」
『……お友達連れて?』
「……あぁ。」
「幸紀様、愛様、お茶をお持ち致しました…………ど、どうなさいました?」

執事である睦月が入ってきて目にしたのは、頭を抱えて項垂れる2人の姿。

「あ、あの……何かありましたか?」
「……あぁ、ありましたとも……」
『……て言うか、現在進行形でありますとも……』
「もしかして……この米花町という言葉でしょうか?」
『……そういえば睦月さんも見たもんね。』
「あー……俺達いつの間にトリップしたんだよ……!」
「トリップというより……異世界統合といった方が宜しいのでは?」
『「……異世界統合したくなかった」』

どんよりとした雰囲気の2人に苦笑しながら睦月は、今度行われる鈴木財閥のパーティーの話をした。

「統合してしまったものは仕方ありませんよ。今は目先の事を考えましょう。」
「そうだなー……おし、愛が代表で行ってきて。」
『当主は兄さんでしょ。だいたい招待状にも兄さんと私の連名じゃない。』
「では僭越ながら、私がお2人の衣装をお選びしましょう。」
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