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Dearest【降谷零夢】

第7章 思わぬ再会と脅迫状


ー鈴木財閥パーティーの日

「……ね、ねぇ……本当に私達来て良かったの?」
「だーいじょぶよ!」
「……でも、今回のやけに豪華……」
「ガキンチョ共見てみ。」

鈴木財閥の娘である園子は友人の毛利蘭を小突いて、横目で近くのテーブルを見た。

「あーやって楽しんどけば良いのよ。」
「……う、うん……」
「それよりも!会わせたい人達がいるのよー!!」
「えっ……ちょっと……園子!」

園子に引っ張られ向かったのは、一際目立つ2人組のところ。
それは愛達であった。

『……兄さん、園子嬢が来てるわ。』
「……マジかー……」

苦い顔を一瞬で戻し、くるりと振り返って笑顔を浮かべた。

「これは園子嬢、この度はお招き頂き有り難うございます。」
「蘭!紹介するわね、此方が葉月家ご当主の幸紀さん!それで此方が……」
「妹です。」
『初めまして、妹の愛と申します。』
「え、あ……初めまして、毛利蘭です……!」
『毛利?もしかして……毛利小五郎さんの娘さん?』
「は、はい!」

ふわりと微笑む愛に蘭は顔を赤くして会釈する。
幸紀も人の良さげな笑みだ。
詐欺師も騙される位の演技っぷり。

「父の事をご存知なんですか?」
「えぇ。貴女のお父上は有名でいらっしゃる。」
『“眠りの小五郎”それは素晴らしい推理だそうで……。』
「いえ……そんな事は……」
「幸紀さんも愛さんも園子嬢なんて呼び方やめて下さいよー。」
『ふふ、園子さんでも宜しいかしら?』
「はい!」
『「(ウチラいつ、彼女と知り合ったんだろーね……)」』
「ね?安室さんに負けず劣らずのイケメンでしょ?」
「うん……!」

こそっと話す女子高生2人の会話に愛と幸紀は軽く遠い目をした。

『「(あぁ…………もう、ポアロにいるのか……)」』
「蘭ねーちゃん、この人達だぁれ?」
「(出た……!事件吸引器……)」
「ふんっ、ガキンチョなら知らなくて当たり前よね。この人達は名家と呼ばれる葉月家の現当主様とその妹さんなのよ。」
「(何でオメーがそんな自慢気に言ってんだよ。)へぇー!そうなんだ。」
『初めまして、坊や。私は愛、こっちが兄の幸紀よ。』
「初めまして!僕は江戸川コナン!」

他から見たら無邪気な笑顔も愛達からしたら悪魔の笑顔だ。

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