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Dearest【降谷零夢】

第1章 出会い


大学生になって3ヶ月、夏休みに入った降谷は幼馴染である諸伏景光と別れて自宅に帰ってきた。

「あっつ…………」

汗だくで張りつくTシャツに気持ち悪さを感じ、バスタオルと着替えを持って浴室に向かう。
洗濯機に脱いだ衣服を入れて浴室に入れば、アパートの割にはキレイなタイルと湯船。

「あー…………気持ちいい。」

シャワーを浴びながら明日の予定を考える。

「(ヒロは明日予定あるって言ってたからどうするかな……)」

シャワーを止めて、出ようとするがクラっと軽く眩暈を感じた。

「っ……暑さにやられたか?」

壁に手を置いて落ち着くまで大人しくしてる事にした。
少しして眩暈も感じなくなった降谷は浴室のドアを開けて、見えた光景に目を見開いた。

「……は?」

目の前に洗濯機があってその上にバスタオルを置いた筈が洗濯機ごと無くなっている。

「(しかも、アパートじゃない?)」

自分が住んでるアパートはこんなに廊下は広くなかった。
もう一度浴室を開ければ、見慣れた浴室ではなく湯船も広く明らか違うのが分かった。

「……どういう事だ?」

浴室のドアの前で考え込んでいると、恐らくリビングの方だろうか。
足音が聞こえた。

「(ここの住人か、話せば分かってくれると良いが……)」

そんな事を思っていれば、現れた人物に降谷は固まった。

『……誰?』
「なっ…………!」

同い年位の女の子だ。
声を上げかけて気付く。

「(俺、裸だ……!!)」

タオルも何もないので身を隠す術は浴室に戻る事。
慌てて入れば、女の子から更に言葉が続いた。

『そこにいて下さい、今タオルと着替えを持ってきます。』
「え?」

パタパタと部屋に戻っていき、また少ししてパタパタと音を鳴らして降谷のところへきた。

『はい、タオル。着替えはサイズ合うか分からないけど着て下さい。』
「あ、ありがとうございます。」

見知らぬ男(しかも素っ裸)を見ても動揺すらしない彼女に疑問を持ちつつ、渡されたタオルで身体や頭を拭きTシャツとズボンに着替える。

「(叫ばれないだけマシか?どうやって説明するかな。)」

リビングに行けば、とてもシンプルなテーブルとソファーがありテーブルの上には麦茶が置いてあった。

「お気遣いありがとうございます。」
『いえ。良ければお話を聞かせて頂けますか?』







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