第1章 不思議すぎる夜咄①
カノの話を聞いて、私は理解した。
なぜ街があんなに眩しく見えたのかが。
私が自分を捻じ曲げて生きてきたから。
それはそれは、醜い事この上ないだろう。
こんな眩しい世界に生きる価値なんてないからだろう……
「あっ?!そんな悲しそうな顔しないで!」
目を伏せると、カノが笑いつつも少し戸惑ったようにして、
「これ、単なる法螺話だからさ!そんな怪物、いるわけないよ!ごめんね、本気にさせちゃって」
そう言ってきた。
「法螺話…そっか…
でもさぁ。」
んじゃ何で、アンタ泣いてるの?