第2章 クロハの運命論
こいつは。少し前、つっても、ここは時間がどうとかは無い世界だから曖昧になるが、いつしかここに迷い込んできた。
最初は本当に迷ってここに来たらしく、ギャーギャー騒いでたが、今となっちゃあ本人の意志でここに行き来できるようになったらしい。
そんな事、俺とほんの一部のやつにしか出来ないはずなのになぜこいつができるのかは分かんねぇけど、本人曰く『んー…私が周りとかと別物だからじゃないかな?』って言ってたからそういう事にしている。
「また、行くの?」
「…あぁ」
寂しげに呟くように言ったに俺は短くそう答えた。
「んだよ、寂しーのか?なんならお前も来るか?」
「いへいへはっはくほっへほれっほっちも(いえいえ全くもってこれっぽっちも)」ザクザク
「いつの間にか何食ってんだお前」
「じゃがりこ〜」タベル?
「…いや、いい……」
とりあえず、さっきまでのシリアスムードを返そうか。
俺は呆れつつも何故か苦笑していたのだった。