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交わる物語

第2章 クロハの運命論


 ここは、現実と、とある世界との狭間の世界。
 誰も知らないのだから名前なんて無いし、俺自身も、正確には、と聞かれると、微妙。

 だがまぁ、そんなことはどうでも良いのだが。


 見渡す限りその世界に広がるのは、無数の時計の文字盤と針の浮かびあがった白い光の穴。
 俺は整然と並ぶそれらの末端にある穴から光の底を見下ろしていた。









 そこには、とある日の日常が写っていた。 
 まぁ、俺にはもう見飽きたものだが。

 他の穴では、こういうのは見ることができない。何故なら、役目を終えて、中身に捨てられて、文字盤と針を赤く染め上げているから。














 





「んだよ…また来たのかよ」
「来て悪かったな」

 振り向くと、悪態をつきつつ一人の女が立っていた。
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