第2章 2部
すっかり陽が落ちた。
「なあ。なんか食いモンあるか?」
「ああ、そういえばもう夕食の時間だね」
お茶を時々飲んで喋っていたせいか、私は空腹は感じていなかったがカミナはお腹が空いたようだ。
「喋ってたら腹が減った」
腹の虫を盛大に鳴らしながらカミナが呻く。
「何か作るよ。何が食べたい?」
「肉と酒!」
「それいつかも聞いたような…」
「そうだっけか?」
カミナが居た二年前より更に便利になったキッチンに立ち、横に立って物珍しそうな顔をしているカミナに説明をしながら料理をした。いちいち感心してくれるカミナがちょっとくすぐったい。
「……カーミーナぁあああ」
「何だァ?」
「なんかね…すっごくね…ふっわふわするんだけど…」
「そりゃお前、只の呑み過ぎだ」
「そんなばかな…らってれんれんのんれないよー…」
「呂律回ってねェよ」
…不覚である。
食事を用意して、秘蔵の果実酒を引っ張り出し、向かい合って座って乾杯をした。
カミナの旅の話、私の街での話。話題は全く尽きる事は無かった。
そしてカミナのペースで呑み進めてしまった私は、あっさりと酔い潰れてしまったのである。
アルコール初心者の私は、まだ自分の飲める量が把握できて無かった。
ましてやカミナと一緒である。テンションが上がらない訳が無い。
楽しいお酒はどうしてこうも進むのか。
「ほら、お前ふらふらしてんぞ」
「だいじょぶ…」
「だいじょぶー、じゃねェよ。ほらこっち座れ」
椅子に座っていられなくて床に座り込もうとしていた私に、先に床に胡坐を掻いて壁に寄り掛っていたカミナが自分の横を指差す。
「カミナの横?」
「おう」
ふらついた足取りでカミナに近付き、横にぺたんと腰を降ろした。そのままカミナに寄り掛る。
カミナの剥き出しの腕が冷えていて、火照った頬に気持ちよかった。