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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部


「ちょっ、カミナ! 何!?」
「悪ィな。ちょっとヴィラルの奴と話がしてェ」
「そんなの無茶よ!」
「無茶でも何でもやってみなきゃわかんねェだろうが!」
「きゃあああっ!!」

カミナに抱えられたままグレンラガンの脇に到着した。ガンッとカミナがグレンを蹴る。
「シモン、グレンを開けろォ! 俺達を乗せやがれ!」
「!?」
突然現れた私(とカミナ)に驚き、シモンが上擦った声を上げた。
「、お前からも言ってくれ!」
「わっ、分かった…。グレンラガンに乗せて、シモン!」
「なに!? どうしたの!?」
「ごめん事情があるの。とにかくグレンを開けてシモン!」
隣のカミナが急くので私まで慌てる。しかし私の剣幕に何かを感じたのかシモンがグレンのコックピットを開けてくれた。

「!?」
遠くでヨーコが、他の獣人と戦っているキタンが驚いて私を見ていた。
それに「大丈夫」と手を振り、カミナに押し上げられてグレンのコックピットに二人で潜り込んだ。

「懐かしいな」
カミナがしみじみとグレンの内部を見回す。
カミナと二人で狭いコックピットに乗るのには体勢に困った。どうしようもないのでカミナが操縦席に座り、私はカミナの膝の上だ。
なんともむず痒い。

…私は、グレンに乗るのは初めてだった。
ロシウやヨーコは乗って操縦していたし、私にも乗らないかという話も来た。
でも駄目だった。カミナが命を落とした忌まわしい場所という嫌な記憶が嘔吐感と共にせりあがってきてしまうからだ。
「…まさか乗る事になるとはなあ…」
しかもこうして、カミナに後ろから抱きかかえられるような体勢で。
「何か言ったか?」
(何でも無いよ。それよりなんでいきなりヴィラルと話を?)
シモンのラガンとは通信回線が繋がっているのでカミナとは小声で会話をする。

「何だ、女」
一連の流れに呆気にとられていたのか、ヴィラルがようやく声を出した。
「女子供は引っ込んでいろ。死にたいのか」
「うるせぇよ、この獣人野郎!」
(ちょっ、カミナ!)
私の制止も聞かず、カミナがグレンの視界をエンキドゥドゥに合わせた。

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