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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部


腹が減ったと言うカミナの為に、ジーハ村の村長が始めたブタモグラのステーキ屋に行こうかと並んで歩き始めた、その時。
遠く街外れの方角から地響きがした。

「…!!」
「な、なんだ? なんだァ!?」
揺れる地面に驚いたのか、カミナが周りを見回す。同時に私は地響きの方に駆け出した。
「どうした!?」
続いてカミナも駆け出す。既に慌てる様子も無く真剣な表情で私を見た。
「多分獣人! 螺旋王を倒した後は投降してきた獣人もいたけど、テッペリンを奪回しようとする獣人も多少いるの。ヴィラルとか」
「あいつか」
とカミナが呟いた。

投降した獣人は待遇の差はあれど、このカミナシティに居ついている者も多数居た。
それは睡眠をとらないと死んでしまう獣人自身の体のためでもあり、平和を願っている獣人が現れた事の意識改革にもよる。
テッペリンにあった細胞活性化装置を当てにしてカミナシティに居ついた者もいる。
シモンやロシウが起こした新体制に付いていこうとする獣人がおもだって現れたのはこの数ヶ月だ。
しかし獣人の数は人間ほどでは無かったがやはり多い。体制に反対する者はどの時代にも居る。
こうしてテッペリンに執着し、取り戻そうと乗り込んでくる獣人だって少なからずいるのだ。ヴィラルはその反対勢力の先鋒だった。

「てめぇ! また懲りずに来たのか!」
街外れでは既に戦闘が始まっていた。街の中心に乗り込もうとする獣人達とガンメン。それを阻止すべく制止する人間とガンメン。
先頭ではキタンの乗るキングキタンが、そのトッキンの先端で獣人を追い払おうと奮闘していた。

「懲りるなんて事あるわけないだろうが! ロージェノム様の作られたこの都を返せえっ!!」
獣人達の先頭に立つのは見覚えのあるガンメンに、見覚えのある声の主。そのガンメン、エンキドゥドゥが両手の剣を高く上げる。
「ここは貴様等のような裸猿共が居て良い場所では無い!!」
聞きようによっては悲痛とも取れる叫びに思わず私とカミナの足が止まった。
「…ヴィラル」
カミナがエンキドゥドゥを見上げた。カミナの記憶よりも形が変わっていたエンキが影を作っている。
やはりと言うべきか、反対勢力の中にはあのヴィラルの姿もあった。
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