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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部



「ー! ねえねえちょっと聞きたいんだけどー!」
ロシウとリーロンの居たデカブツ跡地を後にして、カミナシティを歩く私(とカミナ)に知った声が聞こえた。
「キヨウ?」
遠くから聞こえた声の心当たりの名を呼んで周りを見渡すと、走りながら声の主、キヨウがやって来る。

「こんにちはキヨウ。どうしたの?」
「キヨウ? へえ相変わらず…」
色っぺェなと感嘆するカミナの腹を肘突きし、私はキヨウの方へ向いた。
「こんにちは。そうそう、あのねあの人知らない?」
「誰の事?」
薄々気付いてはいるのだが、隣で突かれた腹に悶絶しているカミナも居ることだし一応聞いておく。
「決まってるじゃない! ダヤッカよ!」
腰に手を当てプンスカとキヨウがその厚い唇を可愛く尖らせた。

「ダヤッカ?」
腹を擦りながらカミナが首を傾げている。あんまりにも何度も首を傾げるからそろそろ首が曲がってしまうのでは無いかと心配になる。
ここに来てからカミナは驚きっ放しだ。キヨウ達の事も知ったら驚くだろう。

「ダヤッカに何の用?」
笑ってしまうのを我慢しながらキヨウに尋ねる。
「こっちに来てないのね? もう彼ったらお弁当届けに来てるにいっつも逃げるんだもん!」
見れば先程のニアも持っていたような、似たような布包みを持っている。
「また追いかけてるの?」
「何でキヨウがダヤッカの奴を追い掛け回してんだ?」
訳が分からず私とキヨウを交互に眺めているカミナを視界に感じ、そろそろ笑いが我慢出来なくなる。

「あったり前でしょ! この私が毎日毎日アタックしてるのにダヤッカったら逃げ回ってるのよ! いい加減捕まえなくちゃ!!」
「頑張ってね」
「任せといて! 無事にゲットしたら結婚式には呼ぶわよ」
「楽しみにしてる」
私に投げキッスをして賑やかにキヨウが立ち去った。後には笑いを堪えている私と、ぽかんと口を開けているカミナ。

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