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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部


「あらァん、。お久しぶり」
ロシウの元を離れ、角を曲がるとすぐにリーロンに会った。
「久しぶりだねリーロン。科学技術庁だっけ? 上手く行きそう?」
リーロンは新政府で起こされた科学技術庁の責任者として、早々に開発業務で急がしいのは知っていた。

「まあまあね。それよりも」
自分の事は置いといて、とリーロンが私に囁いた。
隣のカミナはあまりリーロンに良い思い出が無いのか引きつった顔をしつつ、それでも隣に立っている。
「ロシウと話したのね」
「…見てたの?」
それには答えず、リーロンは可愛くウインクして見せた。
人が悪い、と私が溜め息を吐く。うふふと微笑むリーロン。
「やるじゃない。アタシの事見直しちゃったわぁ」
「ありがと」
本当は言ったのは私では無くカミナだと言いたかったが、流石に言う訳にもいかず黙る。
そんな私にリーロンがぽんと肩を叩き、色っぽくしな垂れた。

「あの子ね…ちょっと心配だったけどの言葉がかなり堪えたみたいね」
「そんな、私は…」
ロシウに辛い思いをさせたい訳じゃないと、言葉に詰まる私の背中をリーロンが軽く叩く。
「良いのよ。ああ見えてあの子はかなり追い詰められてるわ。将来いつか破裂しかねないかもね」
むしろ早目に気付いてくれて良かったのよとリーロンが微笑む。
「あの子にはアナタみたいにちゃんと言ってくれる人が必要なの。勿論私も気をつけるわ。…ありがとね」

(…実際はカミナが言った事だけど)
伝えられて、少しでも伝わったのなら。
「ロン、デコ助の事は頼んだぜ」
カミナがリーロンに声を賭けた。当然声は届かない。だから私が代わりに。

「リーロン、ロシウをよろしくお願いします」
「任せてちょうだいな」
微笑む大人な彼女であり彼は、カミナにとっても頼れる大人であったのだろう。
ウインクする彼女に苦笑いしながら、私ともう一人はその場を後にしたのだった。
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