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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部



賑やかに立ち去っていくキタン達を見送った。
目を細めて見送るカミナが、ふいと私の方を向いた。そのままカミナの手が私の手を引く。
「…おい、デコ助ンとこ行くぞ」
「あ、うん」
(キタンとの会話、カミナはどう思ったのかな)
カミナが私とキタンの会話の内容に触れなかったのは、、カミナの優しさだ…と私は思う。

(…気付かれちゃったかな)
カミナが好きという事を。
(…まだ、気付かれたくないな)
恥ずかしいとか心の準備がまだとかでは無くて。
(…行かないで)
気付かれたらカミナが居なくなってしまうかもという不安で。
――自分のエゴで彼を手元に置いているのを気付かれたく無いだけ。

カミナに引かれて歩く手は、とても暖かいのに。


デカブツ跡地で作業指示を進めるロシウは、とってもとっても忙しそうだった。
「こんにちは、さん。整備部の様子はどうですか」
ロシウは一年間で一番大人びたと思う。元々大人っぽい子だと思っていたが、リーロンの手伝いを始めた辺りからそれは加速した気がする。

「ぼちぼちだと思うよ」
「そうですか。また様子を伺いに行きますので、皆さんによろしくお伝え下さい」
「あ…ごめん。私ちょっと用事が出来て、整備部を数日お休みするの」
「…そうなんですか」
ロシウの額がぴくりと動いた気がした。

…実は最近ちょっとロシウが苦手だ。
スケジュールを用意してそれがその予定通りにならなさそうな時、ロシウはいつもこんな顔をする。
キノンはいつも笑顔で出迎えてくれるのでたまに訪ねるが、今日は不在だった。これは少々疲れる。
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