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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部


「…そうだな。の言う通りだ」
少しの沈黙の後、キタンの眼が輝いた。
「胸張って生きてりゃ自ずと己の道は見えて来らあ。カミナが生きてたらきっとと同じ事言う気がするぜ」
「そうだな」
「そうだそうだ!」
キタンが声を上げ、キッドとアイラックが頷き合い、ゾーシィが咥え煙草で笑い、ジョーガンとバリンボーが拳を振り上げる。

「!」
俄かに盛り上がった男達の輪からキタンが私の名を呼び笑った。
「ありがとな! 目が覚めたぜ。俺は俺の出来る事をやる。それでロシウの奴と衝突するなら本望ってモンだ」
キタンに続き男達も次々に私に感謝の言葉を浴びせて来る。
「不思議だぜ。と話してると何だかカミナと話してる気分になるな」
私の頭をがしがしと撫でながらキタンが口角を上げた。
「…似てきたんじゃね? あいつに」
「そんな事…無いよ」
「まあいいさ。俺もお前に言うぜ」
「何を?」
がははとキタンが笑う。カミナとはまた違った頼り甲斐のある兄貴の彼の笑顔。

「、お前も大グレン団らしく胸張って生きやがれ!」
「!!」
キタンの言葉に今度は私が胸を突かれた。
「俺はお前にとってカミナの代わりにゃなれねえが、あいつの生きて来た道を教える事は出来るぜ。何かあったら俺に言え。分かったな」
「…うん、分かった」

「見ろよキタンの奴の事口説いてやがる」
「バッカ違ぇよ!」
「照れてるぞ」
「照れてるぞ」
「違ぇって言ってんだろ!」
囃し立てる大グレン団の皆に跳び蹴りをしながら、じゃあなと笑って手を振るキタンを目で追った。
(多分キタンは気付いている。私がカミナの事…)

私は自問した。
――私は前を向いて生きて行けてるだろうか。
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