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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部


「でも…ロシウは皆だから出来ると思って言ったんじゃないかな」
しかし新政府という体制は始めたばかりで、だからこそ敢えて大グレン団で貢献した彼等にその場所を頼んだのではないのか。信頼という意味を込めて。
そんな意趣の言葉を私はキタン達に向けた。

「…ああ、の言ってる事も分かるぜ」
意外にもキタンはあっさりと言った。
「でもよ、俺は今でも時々考えるんだよ。…カミナが生きてたら何て言いやがるんだろうな」
そう言い、キタンは遠くに視線を放った。他の男達もキタンの言葉に頷く。
「…カミナ」
私も呟き隣のカミナをちらりと見る。カミナは黙っていた。

「悪ぃな。ちょっと愚痴っちまった。」
キタンが気を取り直したように顔を上げ私に向かってに笑いかける。
「そんな事…」
言葉に詰まってしまった私に、ぽんとカミナの手が置かれた。

(…カミナ?)
カミナの口元が私の耳元に寄せられ囁いた。
「こいつ等に伝えろ」
(何を?)
「みてェな女子供に愚痴って日和ってんじゃねェってな」
(い、言えないよ!)
私は慌てて首を振る。とてもじゃないがそんな事は思っても無いし、カミナみたいな言い方も出来ない。
「じゃあ、大グレン団らしく胸張って生きてみろ! って伝えてくれねェか」
(…分かった)

それなら何とか。カミナの言葉を胸に、私は皆を見据えた。
「キタン、それに皆。愚痴っても良いよ。でも大グレン団らしく胸を張ろうよ」
「…!」
キタンがはっと胸を突かれた様に顔を上げた。同じく後ろの男達も。
「そうして胸を張って生きよう。…なんて差し出がましい事言ってごめん」
やはり言い過ぎた。彼等に見つめられ途中で声が小さくなってしまった私に「こら」とカミナが笑って頭を小突く。

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