第3章 3部(裏有)
居るはずの無い人達がそこに居た。
ぎゃいぎゃいとカミナと言い合うのは、キタンを筆頭に大グレン団の皆々だった。
「よう!」
キタンが手を挙げ、ゾーシィにキッド、アイラック、マッケン、ジョーガンとバリンボーも口々に私の名を呼んだ。
「邪魔すんなって言ってんだろーが!」
カミナが皆に向かってしっしっと追い払う仕草をする。
「だぁーってよぉ、俺達もと挨拶したいじゃんよ」
「そうだそうだ!」
大グレン団の皆がカミナに向かって抗議する。
「っざけんな。こいつは俺のモンなんだよ」
「…!」
そういえば抱き締められたままだった。なんのてらいも無くカミナに言われ私の方が赤くなる。
カミナの言葉を受けた皆に囃し立てられ、更に真っ赤になった。
先程まで感じていた悲しみが少しだけ和らいだ気がした。
周りを見回すといつの間にか部屋が消えている。
朝焼けを思わせる広い空と大地が、目の前に広がっていた。
気持ち少しだけカミナから離れ、カミナと皆に向き直った。
「ねえ皆。ここ、どこなの? どうして皆にカミナが見えるの? 皆が言ってた挨拶って、何?」
そうだ、それが疑問だ。
しかし私の言葉にも、キタンは鼻を擦って黙ったままだし、皆も俯いて私から目を逸らしていた。
カミナは黙って腕を組んでいた。
しばしの沈黙の後、意を決したようにキタンが声を上げる。
「、どうやら俺達死んじまったみてぇなんだよなぁ」
「…え…!?」
思いがけない言葉に目を見開く。
言葉の重さとは正反対に、キタン達は優しく、しかし力強く笑っていた。
そしてキタンは話してくれた。
宇宙での戦い、そして皆の死。
「やだ…キタンも皆も死んじゃったなんて、やだ!」
「そう言うなって。俺らは納得済みだからよ」
キタンが。ゾーシィが、キッドがアイラックが。マッケンがジョーガンがバリンボーが。
皆が照れたように頭を掻きながら笑った。