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Invisible world【グレンラガン】

第3章 3部(裏有)






シモン達大グレン団の皆が宇宙に旅立ってから、やたらと夢を見るようになった。

その夢は様々で、一晩でくるくると場面が変わる。
宇宙に居る皆を遠くから眺めていたり、地球から見上げていたり。
カミナの夢だったり、シモンやヨーコの出てくる夢だったり。
まどろみながら見るような浅い夢だったり、夢の登場人物になったと錯覚しそうな深い眠りの夢だったり。

だからそれも、最初は夢だと思ったのだ。






「――ねえカミナ! 今日はどこに行くの!?」
ガンバイクのエンジン音と風に掻き消されそうな声を張り上げて、私は目の前の風に煽られている髪の主に尋ねた。
「南の方に珍しい動物が居るらしいぜ。見に行かねェか?」
「うん!」
二人乗りのガンバイクに跨り、目の前の背中にしがみ付く。
「行くぜ!!」
ガンバイクが轟音を上げ飛び立つ。
しがみ付いたカミナの背中に耳をくっつけると、エンジン音にも負けない大きな心臓の鼓動が聞こえた。



人類が地上に出てから数年が経っていた。私はこの地上を隅々まで見て回り調査する探索員の仕事を、相棒のカミナとしていた。

二人乗りにカスタムしたガンバイクに乗り、自宅から出発し街の出口に向かう。
途中見かけたキタンが大きく私達に手を振った。
「よおカミナ。今日もとデートかよ」
「馬っ鹿じゃねェのキタン。調査だ調査」
「馬鹿はオメーだ。んな事ばっか言ってっとに逃げられっぞ」
「人の世話はいいからキタンも早く独り身から脱出するんだな」
「んだとコラ!」
ガンバイクを停め、カミナとキタンが喧々囂々と仲良く口喧嘩している最中も、街の皆が私達に声を掛けてきた。

「カミナとキタンは今日も元気だねえ」
「は大変だね、喧しいカミナの世話で」
「気をつけて行ってらっしゃいな」
それらに手を振りながら、私とカミナは再びガンバイクで飛び立った。

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