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Invisible world【グレンラガン】

第3章 3部(裏有)



「リーロンの言う通りだ」
黙ってしまった私達の背後から唐突に声がして、三人とも飛び上がった。
振り返ると、高くなった背丈に紺色の髪が燃える青年が、衝立の陰から現れた。

「シモン!」
「あら嫌だ。シモンまで盗み聞き?」
リーロンに続きシモンが姿を現す。
もう、とシモンをつつくリーロンに苦笑いをしてから、シモンが私とヨーコを振り返った。

「ヨーコ。は連れて行けない」
首を振りながらシモンがヨーコに、そして言葉が止まった私に声を掛ける。
「でも!」
反射的に叫ぶヨーコを遮り、シモンが続けた。
「難しい事は俺には良く分からないけど、確かに螺旋の力なら一人くらい問題無く連れて行ける」
「ちょっとシモン!」
「じゃあ!」
思いがけないシモンの言葉に仰天するリーロンと、ヨーコが思わず立ち上がった。

「でも駄目だ」
しかし、二人の声に被せるように、シモンは静かにきっぱりと言い切った。
「は地球に居てもらう。宇宙に行くのは俺達だけだ」
迷い無く言い切るシモンに、ヨーコがふと力を抜いた、と思った。

「…分かってるわよ。私も無茶言ってるって思ってる」
気が抜けたように、ヨーコがすとんと椅子に座る。
「…ごめん、ちょっと私おかしかった」
テーブルに突っ伏し、ヨーコが小さく唸った。
「…ヨーコ」
「ごめん。忘れて」
消えそうな声でヨーコが呟く。
リーロンと顔を見合わせていると、シモンがヨーコに向かって一歩踏み出した。

「なあヨーコ。…俺も最近アニキの夢を見たんだ」
シモンの言葉にヨーコががばりと顔を上げた。私とリーロンも目を見開く。
「シモンも?」
「ああ」
言葉を無くした三人に向かってシモンが嬉しそうに笑った。

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