第3章 3部(裏有)
憑かれたように変わってしまったニアにより、月が落ちてくると宣告された。
ムガンの来襲とカテドラル・テラ。
アークグレンで住民は避難したが、宇宙で待つ大量のムガンの罠により全滅かと思われた。
そんな中、希望の声が艦内に響く。
「諦めるなロシウ!」
リンカーネ刑務所に収監されたはずのシモン。
そのシモンの乗るグレンラガン、大グレン団の皆の活躍により、ムガンやカテドラル・テラの危機は回避された。
しかしニアは帰って来ない。
詳しくは分からないが、ニアは宇宙の果てでシモンを待っているという。
「待っていろニア…、俺が必ず助けに行く!」
そう言い空を見上げるシモンと共に、大グレン団の咆哮が轟いた。
「…シモン」
声を上げ、大事な人間を助けると叫ぶその姿は、誰かに似ていると思わざるを得ない。
(ねえ…カミナ)
避難していたアークグレンから降りた私は、空を睨み天を仰ぐシモンを見付けて呟いた。
意志の固いその眼差し、強く結ぶ口元、逆立つ髪、大きな背中。
身長はもうとっくにカミナを越したかもしれない。
(あのね…シモンがね、すごくカミナに似てきたよ)
…カミナが居なくなり、幾日が経っただろうか。
私は宇宙に出ても、地球の危機でも、こうしていつもカミナの事ばかり考えている。