第3章 ３部(裏有)

「ぷは…」
息をするのを忘れていたかもしれない。
肩で大きく息を吐き、閉じていた目を開けると、カミナが悪戯っぽく舌を出していた。
「ごっそさん」
「……っ！」
あんなキスをしておいて、雰囲気の欠片も無いカミナに、思わず噴き出した。


口の中は未だキスの味が残っていた。
そうだ、これがカミナの味なんだと改めて気付き赤らむ。口付けの余韻で頭がくらくらする。
後ろから抱かれ膝の間に体がすっぽり収まっている私は、カミナの胸に自分の背中を預けた。
カミナも私の前に手を回す。その手が丁度胸の辺りの高さになっていた。

「あの…カミナの腕、私の胸に当たってるんだけど」
「健康だからな」
意味が分からない。
引き寄せられ、私の腰の辺りになにか熱く固いものが当たる。
「あと、あの…腰に…何か当たるんだけど」
「おう。健康だからな！」
「…！！」
その意味を理解しまた赤くなる。

幽霊に健康とかあるのだろうか？ などと考える暇も無く、胸に当たっていたカミナの手が私の胸を軽く掴んだ。
「やっ…」
「嫌か？」
「そうじゃなくて…、んっ」

タオルの上から触れられていた胸は、避けようもない隙間からするりと手が入れられた。
それはいつの間にか両手に増えて、直接私の胸を覆っている。
耳が熱くなるのを感じながら、目線を下げるとバスタオルの下をカミナの手が蠢いている。
それが酷く淫猥で、頬が熱くなった。

ずり落ちそうになるタオルを必死で掴んだ。そのせいで、胸を這うカミナの手から逃げられない。
「――んん」
下から掬い上げるように胸を触られ、中心の突起を見付けられ摘まれた。思わず声が出てしまい慌てて口を手で塞ぐ。
「声、我慢すんな」
「ひっ！」
耳元にカミナの口が寄せられ、囁かれた。耳への声は反則だ。
心なしかカミナの息遣いが荒くなっている気がする。そのせいか耳内にカミナの吐息が吹き込まれ、体の力が抜けた。
その隙にタオルが下げられ、胸が露わになってしまう。
「…やっ、やだ…っ」
身を捩るが逃げられる筈も無く、露出した突起を指先で捏ねられた。
「…ひゃっ！」
耳の中にぞろりとした感触を感じた。カミナの舌だ。
ぴちゃぴちゃとわざと音を立てて舐る舌に、体が震える。