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Invisible world【グレンラガン】

第3章 3部(裏有)




「どうやら俺は死んじまったらしいが、シモンの言葉とお前の存在で、俺はこうしてここに居る」
「…私がカミナを見れるのはたまたまかもしれないよ」
カミナの言葉が嬉しい。たまらなく嬉しい。
でも心のどこかでどうして私なのか? という疑問も浮かぶ。

「小難しい事は俺にも分からねェよ。でもな、お前が俺を見てるって事が、俺を俺らしくしてくれるんだ」
「……」
「だから俺は辛くなんてねェ。お前も辛いなんて考えなくていい」
「……」
「そん位、お前が大事だ。」
「…カミナ」

カミナを見上げる。
七年前と全く変わらないその顔。視線。笑顔。一刻前に辛いと思ったその事が、今はこんなにも嬉しい。

まじまじ見上げるその顔が不意に近付く。
びくりと固まるが、カミナの手が私の髪を撫で、そのあまりの優しさに緊張が解けた。
カミナらしくない優しさ。でも、それがとてもカミナらしくて。

そっと目を瞑る。カミナの唇が、私の冷えた唇に重なった。


触れるだけの口付け。
カミナとしたキスの中で一番短かったかもしれないが、不意打ちではないキスは初めてだった。
目を開けると、気恥ずかしそうな顔をしたカミナが私を見下ろしている。

「…俺が旅に出たあの日、お前に付いて来いと言ったよな」
「…うん」
「そしてお前は行かないと言った。俺はどうしようもなくガキだったからお前と離れてやっと分かったよ」
カミナの耳が赤い。多分私も赤い。

「、お前が好きだ」

耳同様、真っ赤になった顔でカミナが照れ臭そうに笑う。
「嘘…」
「俺様が嘘なんてつくかよ」
信じられなかった。反射的に出た言葉にカミナが口を尖らせる。



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