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【マギ】緋色に染まる月に向かう

第4章 新たな生活




正門をくぐり暫く歩くと、少し周りを見渡しただけで興味深いものが沢山溢れる。今は夜だからか静まり返っているが、鍛錬場らしき場もあったり、はたまた様々な魔道書が蓄えられた書庫があったりと。
明日はやる事があるかは分からないが、暇だったら探検してみようと決めた。


少し歩いた所で、どうやら紅炎様の部屋は私と別の方向みたいであり従者達が二手に別れる。


「今夜はゆっくり休め。明日の夜はお前の歓迎会を開くから、忘れるなよ?また明日、桜。」


「承知致しました…。おやすみなさい、紅炎様。」


歓迎会なんて開いてくれるのか…。どうやら、私はこの国に初っ端から除け者にはされずに済むらしい。形式上の物だとは思うが、少しは安心した。ふっと笑みを零した紅炎様はそのまま自分の部屋に帰っていく。


はぁ……。やっと緊張が少し解れた…。

やはり紅炎様の隣にいると少し疲れてしまう。少し肩の力を抜いていると自分の部屋についた様だ。侍女が扉を開けて案内してくれる。

中に入ると、またそこは豪華な造りになっており、異国の私なんかがこんな待遇を受けて良いのだろうかと思うほど立派な部屋だった。

再びその豪華な部屋に見惚れていると後ろから見知らぬ人に無理やり引っ張られて嫌そうな顔を浮かべたチャーシャが付いて来ていた。

チャーシャはとても大人しいのだが、城に虎を入れるとなっては抵抗感があるのだろう。とりあえず自分の部屋に着くまでは監視付きで私が鎖を持つことは許されなかったのだ。


「すみません、ありがとうございます。ごめんね…チャーシャ。私に着いて来させてしまって。」


部屋に入れば自分の管理下でも良いらしく、急いで虎を受け取れば抱き上げ、機嫌をとる様に優しく喉を指で撫でてやる。


「ニャーァ」


少しは落ち着いたのか、喉を鳴らした儘私の腕の中ですっぽりとハマったまま眠りについてしまった。


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