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【マギ】緋色に染まる月に向かう

第2章  物語の始まり






此処は煌帝国の隣に位置する国、「蘭蘡」。
小さな国ではあるが、自然豊かで資源にも恵まれており、温暖な気候な為比較的暮らしやすい国ではある。

王政によって国を治めており、現国王は平和主義を掲げ、軍隊を持ちながらも護る為の戦いしかしない。

この国王、即ち父の元で育ってきた私にとってその意思を引き継がない筈もなく、この国と国民を護る事が出来る女王を目指して日々奮闘している。


父は私の母が亡くなってから、再婚する事も無く世継ぎを作る事も無く、今まで私を女王とする為に育てて来てくれたのだ。


その甲斐あってか、想像以上に勇ましく育ってしまったと思う。同じ年頃の女の子達は皆服やら化粧やら、自分の着飾る為の物や恋沙汰に必死になっていると言うのに。

だが、それに引き換え手に入れた強さは本物である。毎日稽古を付けてくれる師匠の元で剣術を習いこの前の大会では優勝したばかりなのだ。

こうした生活も自分なりには気に入っている。幸いにも魔導師としての素質もあった為、魔法の勉強も始め、水魔法で人形を作り動かせた事に歓喜した記憶はまだ新しい。マグノシュタットという国で優秀な魔導師であった先生が熱心に教えてくれた為か、魔法の腕は日々上達しているようにも感じる。


剣術と魔法、他にも学ばなければいけないことは沢山あるが日々女王としてこの国を治める日が来るまで努力し続けなければならない。そう決心し、今日も稽古に向かおうと自室の扉を開いたときある一報が届いた。

この一報によって、わたしの生活は一変することになったのである。



「姫様………この国は煌帝国の傘下に下ることとなりました。」



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