第9章 original birthday
「……な!?!?」
夏はドアを開けると普段と違う賑やかな光景に驚いた。そして___
____パァン!
「夏!誕生日おめでとう!」
冬華はクラッカーを鳴らしたそう伝えた。
「ちょっとまて、前に誕生日は知らないと」
「そうだけど、だからって夏が生まれてきたことをいつまでもお祝いしないなんてもったいないでしょ?年齢はわかってる訳だし、だから今日は、誕生日じゃないかもしれないけどお祝いさせて?」
冬華はそう言うと夏を席に誘導した。
夏が座ると席にはいつも以上に豪華な料理が、それを見つめていると……
「はい夏、これろうそく!」
冬華は冷蔵庫からケーキを取り出しろうそくに火をつけて持ってきたのだ。
「……なんだこれは」
「誕生日ケーキよ。上に乗ってるろうそくの火を、口で吹いて消すの!さぁ早く!」
「……いや、俺はいい。代わりに消してくれ」
「ええ!もう、じゃあ今回は私が消しちゃうからね」
そう言うと冬華は代わりにろうそくの火を消した。
フーーッ
全て消し終えると夏の方をみて
「夏、改めて誕生日おめでとう!」
「……あぁ、」
呆然としながら夏はそう伝える
「さぁ、ろうそくの火も消し終えたところだし、ご飯食べよ!私飲み物持ってくる!」
そう言って冬華はキッチンへと消えた。