第16章 転機
ある日の学校の昼休みのこと
「ええ!あの夏くんがあの谷本王子なの!?」
「そうなの。今まで黙っててごめんね?その、伝えづらくて」
冬華はついに奈々に夏が同じ学校にいることを告げた。
「それは全然大丈夫だけど、あの王子がねぇ〜冬華から聞いてた限りだとイメージが明らかに違うじゃん?」
「でしょー?私も久しぶりに会った時びっくりしちゃって!あのぶっきらぼうなあいつがさー」
「そっかぁ〜あの感じじゃ取り巻きが常についてるから話しかけづらいよね?」
「そうなの!家でも話せなくなっちゃったんだぁ」
「冬華前あんなに頑張ったのにね。まぁ、また前みたいに話せる日が来るよ!それまで夏くんのこと待ってあげたら?」
「そうね、まだ高校生活は始まったばかりだし!気長に待つわ!」
冬華はそう決意した。