第2章 出逢い
寝床についたがやはりすぐには寝付けなかった。
冬華は明日からのことが気になっていた。自分の事を引き取ってくれる宛なんて全く検討がつかず、不安に思っていた。
「また身寄りもない生活に戻るのかな……。」
冬華は孤児院出身だ。5歳の時、魯 慈正に一流の武術家へと育てるために引き取られた孤児の1人だった。だが10歳になる年に理由もわからず彼の友人の創月に引き取られた。
正直、孤児院での生活は喧嘩もいじめも絶えず良いものとは言えなかった。もっと最悪の場合も覚悟しておかなければならない。
「それでも、居場所を作ってくれてる創月に感謝しなきゃ。」
そう誓い、眠りについた。