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aglaia

第2章 出逢い


ーーーギィィイ


(あれ、今日は早かったなぁ)


「お帰りなさい!ご飯もうできてるけどーーー」


そう言いかけた時、


「明日には出ていけるよう準備をしておけ、俺ももうここには戻らん。」


そうゆって直ぐに奥の部屋へと消えてしまった。



一瞬思考が停止した。今でも思考が追いついていない。でも、それでもなんとなくわかった。今日で創月との生活は終わりなのだと。



「ーーー急すぎだよ……創月」



冬華は寂しくなった。




顔をあまり合わせないうえに会話も少なかったけれど、帰って来た時は自分の作ったご飯を食べてくれたり、酔ってご機嫌な時だけだが、自分に色々な事を話してくれた。何より自分をここに引き取ってくれて今まで住まわせてくれた。そんな稀に見える創月の優しさが冬華は大好きだった。
生活を共にしていくうちに一方的にだが家族のような親しみを感じていたのだ。




だが断る事は許されない。今までたくさんお世話になってきた。それに創月とってこれから大事なことがあるのだろう。これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。











荷造りを終えた冬華は創月の部屋の前へと立った。中から物音がしない。もしかしたら既に寝ているのかもしれない。それでも冬華は




「創月さん……、今までありがとうございました!ーーー」


ありったけの気持ちを込めて感謝の気持ちを伝えた。
そして冬華の目に一筋の涙が溢れた。











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