第9章 original birthday
しばらくして____
___ガチャ
「おい!終わったぞ。さっき言ってた話とはなんのことだ。」
夏がリビングのドアを開けて問いかけた。
「やっときた!えっとね、夏って誕生日いつなのかな〜て」
冬華はずっと気になってた話を切り出した。だが____
「誕生日だと?それは俺も知りたいぐらいだ。」
「え?どういうこと?」
「俺は自分の誕生日には興味がない。それに、ここに来るまで俺は施設で育ったんだ。誕生日を知る術もない。」
そう、彼は施設で育ったため誕生日を知らないのだ。
それは冬華にとって誤算だった。動揺しつつも言葉を返した。
「……そうだったの。わかったわ。」
そう答えると夏は……
「もういいだろ、俺は修行に行く。」
夏はそう言って部屋へも戻って行った。