第7章 デート?
冬華と夏は電車で遊園地に向かっていた。だがーー
「……電車の中すごい混んでるね。」
「休日だからな」
電車内の人混みに慣れておらず、冬華は居心地悪そうにしていた。すると途中駅でドアが開き一斉に人が降りていき
…ドンッ
「っあ!?」
冬華は降りようとしている客とぶつかりよろけて後ろに転びそうになった。その時ーーー
…グイッ
誰かに腕を引っ張られかろうじて転ぶことはなかった。
「……夏?」
助けてくれたのは夏だった。そのまま反対のドアに移動しドア側に立たされその目の前に夏が立っていた。ドアと夏に挟まれた状態だ。夏は冬華の上に腕をついて支えている
「派手に転ばれても困るからな」
「うん、ありがとう。」
人混みからかばってくれているのは分かる。だが
(………ち、近い)
今まで以上に至近距離にいる夏に冬華は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。綺麗で吸い込まれそうな蒼い瞳、スッとした鼻筋、形の整った唇を近くで見て改めて綺麗な顔をしていると冬華は思った。