第5章 孤独
夏とある賭けをしてから1週間経った日の放課後、冬華と奈々は教室で話していた。二人は帰宅部であり、放課後は暇なのだ。
「そーいえば例の彼と最近どうなの?」
「それがね!何とか話せるようになって、今日は一緒に夜ご飯食べる約束してるの!」
冬華は夏が空いている日は一緒に夜ご飯を食べようと約束をしていた。約束してからすぐには都合が合わなかったため今日が初めてだ。
「へぇ!そうなんだ!って随分仲良くなってるじゃない!急にどうしたんだろうね?」
「んー。いやいやって泣き喚いたら聞いてくれた?」
「あんたねぇ、、」
「……あ!そろそろ夜ご飯の買い物しないと!奈々帰ろ!」
そうしてこの話は打ち切りになった。奈々にはほとんど話しているが自分が武術家ということは伏せている。冬華はうまくごまかしてこの話題を終了させた。