第3章 距離感
谷本家で暮らし始めてから数日が経ったある日のこと。
少年とはここに訪れて以来一言も話してない。というよりは見かけることが少ない。偶然すれ違ったとしてもお互い一言も話すことなく通り過ぎる。だが冬華は同居人とのこの状況をどうにか変えられないかと日々考えていた
そして今は学校の休み時間。
冬華は谷本家で暮らすようになるまで学校というものに通ったことがなかったのだが、谷本コンツェルンの計らいにより中学校に転入生という形で通わせてもらっている。
そこで冬華は学校でできた友人の奈々に相談していた。奈々とは転入当初から気が合う友人であり奈々には今までの経緯を全て話している。
「谷本くんってね、明らかに話しかけるなって態度なの。でもせっかく一緒に暮らしてるのに全く話さないとか寂しいじゃん。」
そう冬華が相談すると奈々は、