第2章 出逢い
「……お前に答える義務はない。」
先程から自分と会話をしようとしない少年。そんな態度にめげずに冬華は一さらにその人に近づきーー
「あの、私ここに行けとしか言われてなくてこれからどうすればーーー」
そう言うと少年は
「空き部屋を好きに使え、だが俺の部屋には入ってくるなよ。」
私を一瞬だけ見てそう言い少年は奥の部屋へと消えてしまった。
一瞬しか見えなかったが彼の目は子供とは思えない、冷たくて寂しい目をしていた。過去に何かあったのだろうか。
この時からすでに私は何も知らない夏のことを気になりだしていた。