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刀剣乱舞/天朱

第2章 誘われた先は



「けど、辿り着いたのがここで良かったよね」
「確かになぁ。運良く主がいるとこに出てこれて良かったぜ」
燭台切光忠と太鼓鐘貞宗がうんうんと頷く。複数の男性達が自分の心配をしてくれていると感じ、真朱は兄の陰からおずおずと顔を覗かせた。そんな彼女に加州清光が小首を傾げながら問いかける。
「そういえば、名前は?」
「あ…天刃、真朱です。えっと…」
「俺は加州清光。で、全身黒くて背が高いのが燭台切光忠、肌が黒いのが大倶利伽羅、小さいのが太鼓鐘貞宗」
加州清光の説明をきいて「小さいって説明やめろよー!」と太鼓鐘貞宗が抗議を挟む。
「そんで、そっちの白いのが、鶴丸国永」
「……皆さん、変わったお名前、ですね…?あっ、すみません失礼な事を」
率直な感想を呟くとすぐ様慌てて謝る真朱。だが加州清光はいいよいいよと笑った。
「俺達は刀だから、人間にとっては変わった名前だろうからね」
「かた、な…?」
「その辺説明してやらないと、か…?」
言いながら悠青はちらりと足元のこんのすけを見た。真朱は親族とはいえ部外者だ。審神者の事を話しても良いものか。その意図を汲み取り、こんのすけはこくりと頷いた。
「…とりあえず、移動するか。いつまでも物置にいるのもな」
「さんせーい」
加州清光を先頭にわらわらと物置を後にする。彼に続いていく中、鶴丸国永だけが、何か言いたそうに彼女の背を見つめていた。
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