第1章 My Sweet Valentine
「も、だめ・・・やだ・・・ぁ」
「もう限界なの?声出せないと余計に感じちゃう?」
腰をがっちり掴まれて激しく動かされると、気持ちよさと苦しさで息が出来なくなる。
「あ・・・っやだ、やだ、だめ・・・っ、ショーター・・・おねが・・・・・・」
ショーターも、余裕があるのは言い方だけで、短く吐き出される吐息が、彼の限界が近いことを教えていた。
「・・・っは、、イッていい・・・?」
耳元に熱い息がかかって、きゅう、とお腹の奥がうずいた。
コクコクと頷くと、突き上げられる力が強くなって、もう何も考えられなくなる。
「ぁ・・・・・・っあぁぁーーっ!」
「・・・っく・・・っ!」
ビクビクとした震えを直接中で感じる。
頭の中が真っ白になる。
突然恐ろしいくらいの脱力感が襲ってきて、全部の体重をショーターに預けて意識を手放した。
気づけばショーターに背中側から抱きしめられていた。
肩にあたたかな吐息を感じる。
「ショーター、足首だいじょうぶ?」
小さな声で呼びかけてみたけれど、気持ち良さそうな寝息が聞こえるばかりで、返事はかえってこなかった。
ショーター、わたしが怒ってたのはね、本気でショーターが美女に見とれたと思ったからじゃないんだよ。
ショーターが捻挫したからバレンタインのディナーは無理だぜって、そうメールで教えてくれたのはアッシュで。
いつだって、怪我しただの警察に捕まっただの、良くない知らせは人づてに聞くばかりで一度もショーターの口から聞いた事がない。
大したことない怪我でも大したことある怪我でも、わたしには真っ先に教えて欲しいよ。
でももしそうお願いしたら、心配すんな、大したことじゃない、っていつものように笑うんだろうね。
わたしの大好きな、優しい顔して。
ずるいよ、ショーター。