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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第9章 ♢845年♢





「キャァァアァ!!」

「た…助けて…」

壁周辺の町に着いた時には
もう殆ど壊滅状態だった

壁外と違い
狭い空間にゾロゾロと大量の巨人が流れ込んでいる為
人々の逃げ場がないほど
あっという間に巨人だらけになっていた

「…何故こんなことが…」

仕方ない
ここはもう諦めるしかない

避難している人々の誘導をしよう

そう思い引き返すと

「やめろぉぉぉぉ!!」

少年の叫ぶ声が聞こえ
急いで向かう

そこには駐屯兵団の兵士が
少年と少女を抱きかかえ必死に走っている姿が見えた

少年が叫び見ている先を見ると
女性がたった今瓦礫の中から巨人に持ち上げられ
口に放り込まれる瞬間だった

この距離じゃ助けられない…
思わず唇を噛む

そしてまた少年へと目線を移すと
彼らの少し先の家の間から巨人が出てくるのが見えた

「っ危ない!」

叫び、駐屯兵に伝えると
それに気づいた彼は足を止めた

「…すまねぇ、お前ら…」

目の前でニタァと笑う巨人に
足がすくんでしまう
駐屯兵ーハンネス
立体機動装置をつけているにも関わらず
全く動こうとしない彼に焦る

リアは急いで片方の刃を逆手に持ち替え
スピードを上げて頸目がけて斬りつけた

「あれは…」

死を覚悟した3人の目に映ったのは
華麗に舞う自由の翼

「調査兵団だ…」

少年ーエレンは
その姿に魅了された

リアは一瞬で巨人を倒すと
ハンネス達の所へ降り立つ

「あなた…!いやなんでもない…私が上から援護するからあなたは2人を連れて走って!とにかく早く!」

リアは立体機動をつけているにも関わらず
何も動かなかった兵士を責めようとしたが
彼がカタカタと身体を震わせながら
すまねぇ、すまねぇと言っているのが聞こえ
避難を優先させた

駐屯兵団は巨人と直接戦ったことがない
恐らく勇敢に立ち向かえる兵士の方が少ないのだろう

こんな現状の中その事実を知り
戦えるのは先程壁外調査から帰ってきたばかりの
調査兵のみかと、落胆した





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