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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第9章 ♢845年♢





「おじいさん、今日はアップルティーを買いに来ました!」

頼まれていた物を買い終わり
最後に行きつけの茶葉屋さんに来たリア
すっかり常連になったリアに
また来てくれたか、と喜ぶ店主

「今日もオマケをやろう」

「え!いつもいつも申し訳ないですよ…」

「お前さんが可愛いんじゃ、受け取りなさい」

そう言ってまたオマケをつけてくれた店主
リヴァイと来た日以来
一人で何度か来ているが毎回オマケをくれる

「ありがとうございます!」

笑顔でお礼を言うと
それでいいんじゃと笑う店主

「そういやぁ、あの目つきの悪い兄さんはなかなか来ないが…」

「あ、そうですね、彼は中々忙しくて」

調査兵団というものを理解している店主は
最後まで言う前に口籠ったが
リアの言葉を聞き
無事ならいいとまた笑ってみせた

「それじゃあ、おじいさん、次は彼をつれて来ますね!」

そう言ってカランカランと
落ち着く音色のドアを開けた瞬間


ードォ!


突然大きな揺れに襲われ
思わずよろめく

すぐ後ろにいた店主は
身体を支えきれず尻餅をついてしまった

「おじいさん!大丈夫!?…地震?」

この世界に来てから
地震を体験したことはなかったが
地震だとしたら結構な震度だ

そう思いながら空を見ると
50mある壁の向こう側から煙が上がっていた

「…なに?」

思わず目を凝らしてみると


ードン


大きな巨人の手が壁を掴んだ

「え…?」

あまりの出来事に身体が動かず
目だけ見開く

次の瞬間


ードッゴォ!


先程壁内に帰ってきた時に通った門を
一瞬にして破壊された

「…なんと…」

いつの間にか隣に立っていた店主は
唖然とその光景を見ていた

「…壁が…破壊された…、っ嬢ちゃん!今すぐ逃げなさい!巨人が来るぞ!」

店主の荒げた声に
ハッと我に帰ったリアは
つけたままで来ていて良かったと
立体機動装置を触り

「おじいさん!今すぐ逃げて!私は壁の近くにいる人たちを避難させてくる!」

絶対生きて!

そう叫ぶと


ーバシュッ


瞬く間に飛び上がった

「嬢ちゃん…どうか…無事で」

店主はその後ろ姿を見つめ
その先にゾロゾロと壁内へ入ってくる巨人達を見つけると
急いで荷をまとめ
ウォールマリアに向け走り出した



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