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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第9章 ♢845年♢





壁外調査当日


ーカンカンカン


調査兵団の帰還を知らせる鐘が鳴り響く

門をくぐり
今回もなんとか怪我なく
無事に帰ってこれたと
深く深呼吸するリア

それと同時に
リヴァイ、エルヴィン、ハンジ、ミケの
無事を確認でき安堵し

「エリーゼ、お疲れ様」

今日もありがとうと
エリーゼの首を撫でる

興味本位…憐れみ…稀に憧れの眼差しを
向けてくる町の人々と目を合わすことが出来ず
ひたすらキースの後ろ姿を見て歩く

「ブラウン!ブラウン!」

女性が大きな声でブラウンの名前を呼んだ
彼はこの壁外調査で命を落とした
彼女は…母親だろうか

近くにいた兵士が
腕だけしか持ってこれなかったと
母親に差し出すと

「う…うあぁぁぁぁ!」

泣き叫び崩れ落ちる母親
見ていられず思わず目を背ける

「でも…息子は…役に立ったのですよね…」

母親のその言葉が胸に刺さる

「息子の死は!人類の反撃の糧になったのですよね!?」

その言葉にキースは

「もちろん!」

と言いかけるが、そのまま下を向き

「イヤ…今回の調査で…我々は…今回も…何の成果も!!得られませんでした!!」

喚くように言った
更に深く胸に突き刺さったその言葉に
悲しみと悔しさがこみ上げる

泣きたくなる気持ちを抑えながら
動き出した隊についていった




兵舎に着くと
死んでしまった兵士の確認や弔いを行った

あらかた終わった後
エルヴィンの元へ行くと
急遽足りなくなってしまった包帯などの
おつかいを頼まれた

「ついでに、新しい紅茶も買ってきてくれ」

そう言って
頭にポンと手を置かれた
落ち込んでいたリアへの
気遣いであろうその言葉に

「ありがとう!いってきます!」

と笑顔で町に向かった

途中リヴァイと会い
おつかいを頼まれたことと
お金を多く貰った為
リヴァイが気に入ったアップルティーを
買ってくると伝えると

フッと口角を上げ

「もう大丈夫そうだな」

と頭を撫でられた

なんだかんだ皆に心配をかけてしまっていたらしい
皆も同じ気持ちだろうに…

「それじゃ、行ってきます!」

リヴァイも行くか誘ってみたが
他に頼まれた仕事があるようで
そのまま一人で町へ向かった




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