第8章 ♢仲間♢
「正直始めは君を疑っていたんだ…。もしかしたら人類を脅かす脅威なのではないかってね。…でも違った」
そう言うとエルヴィンは
手をそっとあげるとリアの頬に添えた
「君は普通の可愛い女の子だ。君が私たちの敵だとは到底思えない。もし話したくないなら話さなくてもいいんだ。ただ、私は君を信じている、それを伝えたくてね」
綺麗な青い瞳を細めて優しく笑うエルヴィンに
思わずドキッとしたリア
「…隠してたわけじゃないんだけど…、わざわざ言うこともないかなと思って言ってなかったんだ…」
正直違う世界から来ましたなんて
急に言われても誰も信じられないだろうし
自分でさえ、こちらの生活に慣れすぎて
忘れかけていた
でも、エルヴィンがそんなに考えてくれていたなんて
そう思うと、話すべきだと覚悟した
「長くなるんだけど…聞いてくれる?」
「勿論だ」
リアの問いに
優しい笑顔で答えたエルヴィン
「…と言うわけです」
もともと違う世界に住んでいた事
愛馬のエリーゼの事
リヴァイに拾って貰った事
エルヴィン達に出会った時の話
そしてイザベルとファーランの話をした
途中涙が出て中々話し続けられなくなった時には
そっと隣に座り背中をさすってくれた
そのお陰で全て話きる事ができ
心が軽くなったような気がした
「リア、話してくれてありがとう」
優しく頭を撫でるエルヴィン
「違う世界から来たなんて信じられないが、それで君の強さや馬の扱いも納得がいったよ。…君は元の世界に帰りたいとは思わなかったのかい?」
「うん、こっちの世界の私の方が私らしいというか…上手く言えないんだけど」
そう言うと
エルヴィンは良かったと笑顔で頷いた
「この生きにくい世界で共に生きることを決めてくれて、心から嬉しく思うよ。リア、この世界に来てくれてありがとう」
そしてこれからも私達と自由を掴む為に
一緒に戦ってくれ
エルヴィンの言葉が胸に刺さる
彼の言葉は人を突き動かす力がある
本当に凄い人だ
リアは思わず手を胸に当て
「勿論!自由の為に戦わせて下さい!」
そう言った