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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第8章 ♢仲間♢





「壁外調査まで後一週間か…」

今日は非番だったリアだが
いつもと同じ時間に起き
エリーゼの世話を済ますと
紅茶を淹れ
エルヴィンの執務室に訪れていた

分隊長以上の地位を持つ兵士は書類仕事が後を絶たない
エルヴィンもその一人な為
たまに手伝いに来ているのだ

ーコンコン

「入れ」

扉を叩くとすぐに返事が聞こえた

「リアか、どうしたんだ?」

ノックの主がリアだと分かると
少し驚きながらも嬉しそうな顔をするエルヴィン

「今日非番だから、少しお手伝いしに来たの」

淹れてきた紅茶をティーカップに注ぎ
エルヴィンに差し出す

「折角の非番なのに良いのかい?」

ありがとうと受け取りながら答えるエルヴィン

「出かけようにも、リヴァイとミケは訓練してるしハンジは巨人の研究に燃えてるし…つまんないの」

ぷぅと口を膨らませながら言うリアに
ハハッと笑いながら席から立ち上がるエルヴィン

「ちょっと休憩しようかな」

そう言って出したのはいつもの茶菓子

「やった!…てかこれって高くないの?」

紅茶があの値段なのだ
茶菓子なんて目が飛び出る値段なのではないか?と
質問する

「私くらいになればこれくらいいくらでも買えるよ」

だから好きなだけ食べなさい
と不敵に笑うエルヴィン

そうか、分隊長になればいくらでも買えるのか
それなら、と大喜びで食べるリアに
全く君は可愛いな、と頭を撫でるエルヴィンだったが
そういえば、と口を開く

「リア、君はどこから来たんだい?」

いきなりの質問に思わずむせる
だがエルヴィンの優しいが力のこもった視線は揺るがない

「えっと…それはどういう意味で?」

恐る恐る言うと

「…地下で君達と初めて会った時に、ミケが普通じゃない香りがした、と言っていたんだ」

彼がそんなことを言うのは初めてだったよ
とエルヴィンは続ける

「それからは君達の、特にリアの事を観察していた。ずば抜けた運動神経、地下街で暮らしていたにも関わらず初めから完璧に出来ていた乗馬。そしてその馬も、大騒動があった、人の言う事を聞かない馬。…不思議なことだらけなんだ」

そこまで言うと
ふぅ、と息を吐き
少し困った顔をした



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